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被取締役(とりしまられやく)新入社員

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ダメ男・鈴木信男はたまたま試験を受けた一流広告代理店に入社する。社長から彼に与えられた使命は、他の社員の軽蔑や罵詈雑言を一身に浴び、社内ストレスの“はけ口”となること。表向きは制作局のアシスタントディレクター、実は役員待遇の被取締役。名前も「羽ヶ口信男」と改められた。天性のダメ人間ぶりを発揮し、他の社員の心に余裕をもたらしたことで、会社の業績は急伸。「ひとりいじめられっこ政策」は成功を収めたかに見えたのだが…。第1回ドラマ原作大賞受賞作。

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安藤祐介さんの本です。

TBS系で森山未来主演でドラマ化・カンニング竹山主演でラジオドラマ化されたこともあって、記憶に新しいところですが。

森山未来が好きなので、ドラマを先に見たんです。
取締役(とりしまりやく)じゃなくて、とりしまられやく?!

そのタイトル・内容と共に興味深いと思って見たのですが・・いやはや、面白かったのです。
という訳で、原作本を読みたいと思ったのですが、ドラマ化直後だったので予約数が結構なもので。

ようやく手元に来たわけです。

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何をやってもうまくいかない人生を送ってきた鈴木は、ひょんなことから年収3000万円の仕事に就くことになった。
表向きは大企業のADということで、月給20万円の生活だが、
日頃の駄目っぷりを買われ、内密に被取締役(とりしまられやく)の任務を遂行することになったのだ。

・週三日以上は遅刻する
・全社員の軽蔑と嘲笑の的となるべく日々心がける
・他の社員より秀でた行動をしてはいけない
・綺麗な身なりをしてはいけない

突拍子もない条件だが、鈴木にとっては朝飯前。

数々の失敗を繰り返してきた彼にとって、失敗しようと思っていなくても失敗することなどたやすいことだった。

羽ヶ口信男という名前に改められ、早速仕事を開始した彼は、社長の期待に応えるように数々の失敗を繰り広げていく。

しかしそのことがきっかけで、社員同士の団結が深まり、そして結果として業績アップに繋がっていくのだった。

全ては順調に進んでいたのだが、ひょんなことから羽ヶ口のアイデアが採用されてしまったことで、事態は思いもよらぬ方向へと転がり始める―

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まず、ドラマ版は森山未来では格好良過ぎる(笑)とツッコミをいれたくなりました。

チビ・デブ・冴えない・モテない・仕事も出来ない・要領も悪い・・

何においても秀でたことのない、典型的なダメ人間という設定なので(ドラマ化してまんまの主人公だったら皆見ないかもだけど・・・)そこはご愛嬌ということで。

ダメ人間っぷりはいい味出してましたけどね。

若干ドラマ版と違う部分もありましたが、原作に忠実(まあそういうドラマ小説大賞っていうのを取っている作品だから当たり前だが)で、本も面白かったです。

それにしても・・
年収3000万円でも、何か人間として否定された気になりますよね。この被取締役って。。

最後はちゃんと前向きな終わり方で、ほっとしている自分がいました。