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山崎ナオコーラさんの本です。
文藝賞出身の作家が私は結構好きな傾向にあるので、嫌いじゃないんですよね。こういう小説を書く人。
今回は、読んでいて何とも心が温かくなりましたね。
感動っていう話じゃないんだけれど、人と関わることの大切さに気付かされたというか。
感動っていう話じゃないんだけれど、人と関わることの大切さに気付かされたというか。
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物語は、会社を辞めることが決まっている丸山君枝の現在と過去(中学時代)を交互に語っていくという形で進んでいく。
皆と群れることが好きではなく、一人の時間を大切にする君枝は、同僚達との無意味なおしゃべりをしながらのランチに飽きて、一人でコンビニのお弁当を買い公園でお昼を食べている。
そんな君枝を気にかけているのか、先輩である三上さんはいつも「今度一緒にお昼ご飯を食べようね」と誘ってくれるのだが、未だにお昼を一緒に食べたことがない。
会社を辞め、君枝は様々な国を旅して回る。
通じない言葉、だけれど伝わって欲しいと願う日々の中で日本に帰りたいと願いながら、ハガキにそれぞれの国で出会った風景や少女達のイラストを描いては三上さんに送る。
三上さんはメールで返事を書いてくれる、時々立ち寄るインターネットカフェで返信をする・・
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中学時代、君枝には好きな女の子・タカソウがいた。
と同時に、大切な幼馴染・犬井もいた。
タカソウは神と会ったことがあるといい、そんなところも好きだった。
しかしタカソウは犬井が好きな新田とどんどん仲良くなっていくのだった。
しかしタカソウは犬井が好きな新田とどんどん仲良くなっていくのだった。
同じクラスの野球部の鈴木君を含め、タカソウ・君枝・犬井・新田の5人で、週一で宗教ごっこをするようになった。
神様にお祈りをする真似事、お供え物の真似事・・
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旅先で偶然に中学時代の友人と再会した君枝。
神様との文通のやりとりだとか、中学時代であるが故の若さ、葛藤だとかが凄く眩しい。
10代とは思えない程大人な会話のやりとりなんかもしていて、読んでいてうんうんと頷いてしまう部分も多かったです。
今後が気になる作家さんであります。