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包帯クラブ

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包帯一本巻いて世界が変わったら、めっけもんやん。



傷ついた人の、傷ついた場所に包帯を巻きに行く。
それをカメラで撮影し、傷ついた人へメールで送る。

活動範囲は市内。
報酬はもらわない。
包帯代は、部員のカンパでまかなう-

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高校三年生のワラは、父が浮気をして家族を見捨て両親が離婚した為、母と弟の3人で暮らしている。
たまたま包丁で切ってしまった腕の傷を、周囲は皆「リストカット?」と安易に決めたがる。
そんな日常を、絶望的な気分になりながら過ごしていた。

ある日、病院の屋上に登ったワラはフェンスの上によじ登りじっと街を見下ろしていた。
そこに声をかけてきたのは、不自然な関西弁を喋るディノだった。

ほどけてしまったワラの手首の包帯を取り、おもむろにフェンスに包帯を結びつけたディノは、「手当てや。」と言った。

何故かそれを見た時、ワラの中で何か心が温まるのを感じた。


そして、友人のタンシオの失恋話を聞かされたワラはタンシオの苦い思い出の場所-公園のブランコに包帯を巻いた。

それを見たタンシオは感激して涙する-

そのことをメル友で浪人生のギモに伝えると、いつしか4人で包帯クラブを始める事になったのだ。


活動を続けるうちに、中学時代に方言クラブを一緒にしていた仲間であり、今は疎遠になってしまったテンポリスキをクラブに誘う事に決めたワラ。

リスキが仲間に入ることになったのだが、テンポとリスキの二人は相変わらず関係が修復しないまま、またテンポにクラブの事を冷たくあしらわれて落ち込むワラ達。


そして、いつしか包帯クラブの書き込みには「偽善」「死ね」「人の痛みを楽しんでる」などという言葉が連ねられ、警察や学校が動き始める-


テンポとは、もう元の関係に戻る事が出来ないのか?
そして、奇怪な行動を取るディノの抱えていた過去が明らかになって-

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原作が、私的に微妙だったんですよ。
何ていうか・・タイトルとか、内容にとても惹かれて買ってみたんですが・・どうにも読みにくいというか、設定が嘘っぽいっていうか。

そもそも、まず読んでいて苛々したのは・・


①フルネームがちゃんとあるのに、カタカナの変なあだ名がクラブの皆についていること


それならむしろ、フルネームなんて出さなくても良いんじゃないですか?
と私は思った訳ですよ。

まして、『タンシオ』に至っては・・本人の前でタンシオと呼ぶとなんたらだから「シオ」って読んでいるけど・・みたいな語りがあって、それならわざわざ区別をつける必要なんてあるんですか?!

といきり立ちながら私は読んでいたわけです。

まあ、映画化にあたって主人公の母とかも出る訳だし、学校生活のシーンとかをとる関係でフルネームは必要だとは思うけれども。

映画を観て、初めて「テンポ」のあだ名の由来とか知ったしね?
これってどうなんですか!という感じだった訳です。


②主人公の生い立ちが安易過ぎる!!!!


離婚する家庭なんて、今や珍しくないですよ!

ただ、父が浮気をして出て行ってしまったという設定(原作は微妙に記憶が曖昧だけど、映画はそうだよね)だから仕方がないのかもしれないけれども・・

だからといって、離婚したことでここまで廃れてしまうものでしょうか?


自分も確かに両親が離婚をしているけど、劇的に変わる事なんて案外ないもんですからね。
ただ、恋愛に対しては冷めている部分があるのは否めませんけど。

だから余計に、安易に離婚したからなんたらっていう設定に憤りを覚えてしまった私。



その他も色々ツッコミどころはあったんですけど、とにかく何ていうか微妙な気持ちになった原作だったんですよ。

それでも、映画化をするって聞いて気になって観に行ったわけですが。


そんなに、悪くはなかったですね。


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ツッコミどころとしては、ワラのあれくらいの傷でいちいち病院に行くのか?という疑問。

結構バックリ切っていた感じなのに、随分傷が浅くないですか?とかね。

あと、ギモとディノの心の傷が、突拍子もない所でいきなり出てくる感もありましたけどね・・


それでも、そんなに悪くはなかったです。

それぞれのキャラクターも個性的で、何より傷ついた部分に包帯を巻くという行為が、見ている側にとっても感情移入しやすかったからかもしれませんね。

物語の中には、本当に些細な事で傷ついた人から、大きな傷を持った人まで様々な依頼が舞いこんでくるのだけれど、包帯を巻いている映像を観ると、なんだか心がすっかるくなる感じ。

包帯の白さは、なんだか全ての事を無に、いや、浄化してくれるかのような気分になるんですよね。


柳楽君の今までの寡黙なイメージが吹っ飛ばされて、かなりはっちゃけているのだけれど・・
ここまではっちゃけているのは潔いですし。

でも一番良かったのは、ディノの親友のツッコミ役の少年だったんですけどね(笑)

クラブメンバーの中では、一番田中圭が良いですけど(個人的に)

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しかし、石原さとみは苦手だなあ・・

毎度ながら、ちょっとつっけんどんな態度を取っちゃう反抗的な女の子役が多いですね。

そして、関めぐみがどうしても高校生に見えない・・・
ハチクロ』『アヒルと鴨』で大学生役を見ているせいだと思う。
大人っぽいんだよな。

石原さとみだって20歳過ぎてるのに、あんまり違和感がないのにさ。


あと、映画の中で関めぐみが演じるテンポのワラへの発言が非常に引っかかりました。

田舎故、また離婚して母一人が働きに出ている故なのか・・適当に就職して、結婚して、子供産んで・・という考えだからなのか知りませんが、ワラは卒業後は何となく就職という進路を考えているんですね。

そんな中、テンポがワラに言ったのは


「人生の負け組だよ!」



みたいな発言なんですよ。

さも、大学やせめて専門・短大にすら進学しないなんてあり得ない!ような自信をちらつかせながら一喝する場面なのですが・・・

私に喧嘩売ってる?

とか思ってしまったのは私だけでしょうか?


離婚して、ワラはどうだか分からないですが・・大きな稼ぎ手である父がいない環境で、進学も憚られ(自分の場合は勉強するのが嫌だったのもあるけど)自動的に就職しなければやっていけない環境にある人だっているわけですよ。

まさに自分の家がそうだったので。

なのに、恵まれているからこその発言だよなあ・・・!

と変な所で引っかかったんですよね。。。

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・・・と文句ばかりですいません。
でも、大々的に全国公開されている作品の割には良い映画でしたよ(ここまで文句を言っておいて、何ですけど・・)

しかし、今日DVDで見たバッテリーの方が私は好きですけどね。
初回特典付きで4千円しないのでぜひ!

って何の記事だよって感じですいません。