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バッテリー

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「投げろ巧。俺が受けちゃる・・全部、受けちゃる!」


中学入学を控えた春休み、原田巧は一家で岡山県の県境にある新田市に引っ越してきた。
体の弱い弟・青波の為に、父・広の転勤をきっかけに母・真紀子の祖父・洋三の暮らす空気の綺麗な町に家族で移り住むことに。

巧は野球に選ばれた天才的なピッチャー。
自分の才能には絶大な自信を持つ。
新しい住まいに到着するなりランニングに出かけた巧は、神社で永倉豪と出会う。
豪は同級生で、地元の野球チーム「新田スターズ」のキャッチャーだという。

以前から巧のファンだったという豪は、バッテリーを申し込む。

そして翌日、引越の手伝いが終わった後、初めて巧の球を受けた豪。
以前のキャッチャーは球を取るまでに半年かかったと言うのだが、豪はその球を5球でミットに収めた。

そして二人ははれてバッテリーを組むことに。

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一方、そんな野球を続ける巧の事を母の真紀子は快く思っていない。
体が弱く、病気がちの弟青波に比べ、好きな事を思い通りにやり通す巧に辛くあたってしまう。
その姿を見守る洋三は、巧にとって野球は孤独の証なのでは?と思い不安を抱いていた。

そして、新田東中へ入学した巧は、登校して早々に風紀委員による厳しい服装検査で委員ににらまれる。
職員室に呼び出された巧は、オトムライこと戸村先生から威圧的な態度で注意される。

そして戸村は新田東中の野球部顧問でもあった。

更に、注意してきた風紀委員の先輩は、野球部の3年の展西だったのだ。

豪とその友達の沢口・東谷と共に、野球部に入部した巧は入部して早々戸村ににらまれる。
そこは、戸村に徹底的に管理された野球でもあった。

そのやり方に反発し、自分の球が打てるのか?と戸村に問う。

そして見事戸村から実力を認められ、豪と共にレギュラーになった。

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しかし、事件が起こる。

入部して間もない1年が、レギュラーをあっさりと手に入れた事に展西達から反感を買った巧は、先輩たちから暴行を受ける。

その見張り役を任される羽目になった沢口も、間もなく展西達に連れて行かれたのだったが・・
駆けつけた戸村に見つかり、更に校長にまで話が伝わってしまった!

展西達の退部だけには留まらず、野球部は活動停止と大会出場辞退を余儀なくされてしまったのだ・・。


こんな形で引退をすることになってしまった3年生を思い、戸村は横手二中との試合の場を作る事に成功する。

横手二中には、3年の4番バッター・門脇秀吾とそのお目付け役でもある水垣俊二がいた。

その門脇との1打席で、巧は見事三振を奪った事でリベンジをかけた試合が行われる事になったのだ。

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試合当日。

巧と豪のバッテリーがおかしい。

巧の送球に、豪が球を受け止めきれないのだ。

豪は動揺し、更に水垣の言葉で自信を失う。

巧も、豪を信用出来ず全力で球を投げる事が出来なくなる・・・


「お前が俺を信じないなら、バッテリーの解散じゃ!」


横手二中の監督に無断で試合を行っていた事が見つかり、中断された試合。

後日改めて正式に試合を行う事になったのだが、二人のバッテリーは解散の危機に・・

巧は、豪を信じることが出来るのか?
また、豪は巧の送球を受ける事が出来るのか?

そして・・・


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大好きなあさのあつこさん原作バッテリー

映画化すると聞いた時は、嬉しい反面複雑でした。

まず、バッテリーを組む二人が全くの新人だということ。
また、脇を固める大人たちを有名どころが演じること。

あの原作の世界観をどう表現できるというのか?
あまり喋らない巧から、気持ちを汲み取れるのか?

新人が?表情や動きだけで?

・・・そんな心配はいりませんでした。


巧の家族や先生達以外は、ほとんどが無名の役者たち。

更にバッテリーの二人は、映画初出演作です。

それなのに・・。

凄い。
あの難しい役どころを見事に演じきっている。

あまり喋らないけれど、心の中では多分沢山の思いを抱えている巧。
その気持ちを、顔の表情や野球で見る者に伝えてくるのです。

更にその巧の女房的存在の豪。

おおらかで、面倒見が良い豪の挫折(巧の球を受けられない)。
あの苦悩だとかそういうものが、伝わってくるんです。痛いくらいに。

更に映画の中で癒しをくれるのが、弟青波。

病弱で、真紀子からは野球をやることを反対されているというのに、やっぱり好きな野球に携わっていくのですが・・
野球をしている時の表情が、たまらなく可愛い!
生き生きしているのが、とても伝わってきて微笑ましかったです。

更に、面白かったのが友人の沢口(スーパーカップのCMに出ている坊主の子です)。
先輩の事件に巻き込まれたりと大変な役でもあるのですが、おちゃらけていて笑えました(笑)

豪と巧がゴタゴタしている時に、渇を入れてくれたのも彼で。
なかなかいい少年だ。

そして、あまり目立っていなかったけど私が好きなキャラ・東谷。

彼、良かったです。
友達思いで優しい人柄は、映画でも健在。


しかし・・

横手二中の水垣・・。
中学生にはどうしても見えませんでした。

何あのお洒落眼鏡は?笑
若手芸人かと思いましたよ。

まあああいうキャラだから仕方ないとして。

更に、いらん!と思っていた巧に淡い恋を抱く女の子、矢島繭。
原作ではクラスメイト位の存在だったのですが、映画では少年たちの中で紅一点の繭の存在は割と重要だった気がします。

この恋に重点はおかれていないけれど、あってよかったかなあと思いましたよ。

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全体的な感想としては・・

原作の世界を損なっていない。
それでいて、少年たちのキラキラした姿を切り取るのがうまいなあと。

新人の子達が演じた事で、よりリアリティがあったし一つの物語としてすんなり入ってきました。

泣いたしね(笑)

原作1巻~6巻を凝縮させている感をあまり感じなかったのも良かった。
もっと続いて欲しいと思いましたもん。

これはぜひ観て欲しい映画です。

これ感想じゃないですね。すいません。