交通事故によって視力を失った本間ミチルは、父親と二人で静かに暮らしていた。
そんな父の、突然の死。
親戚の同情も断り、一人での生活を始めたミチルだった。
そんな父の、突然の死。
親戚の同情も断り、一人での生活を始めたミチルだった。
そんな頃、家の窓から見えるほどの距離にある駅で事件が起こった。
人身事故。
しかもそれは、意図的にやったであろう殺人事件だという。
人身事故。
しかもそれは、意図的にやったであろう殺人事件だという。
その容疑者、大石アキヒロは盲目のミチルに気づかれないようにそっと家の中へ忍び込む。
家の中に、かすかな何者かの気配を感じ始めたミチルだったが・・。
家の中に、かすかな何者かの気配を感じ始めたミチルだったが・・。
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この映画自体には、
別に期待はしていませんでした。
この映画自体には、
別に期待はしていませんでした。
話はごく静かに進行していきます。
目の見えないミチルという主人公と。
殺人犯の容疑者として疑われるアキヒロとの奇妙な共同生活。
殺人犯の容疑者として疑われるアキヒロとの奇妙な共同生活。
孤独を抱えた二人が、次第に互いの存在の大切さに気づき・・事件は意外な真相へ・・
この一見動きのないような、静かな張り詰めた空気をどう映像化するというのか?
それでいて映画になる映画になる、といつになったら公開されるのか?
と待たされて待たされた映画でした。
と待たされて待たされた映画でした。
だって一応見てみたいじゃないですか。
期待はしていなくても、どうなるのかなあって。
期待はしていなくても、どうなるのかなあって。
乙一さん原作の映画ZOOをリアルタイムで見る事が出来なかった事を後悔していたので、見て後悔する道を選びました。
いやでも、実際見終えたけれど後悔はしていないかな。
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映画では、アキヒロは中国人と日本人のハーフという設定。
それ故、印刷会社に務めているアキヒロは、職場での差別で心を傷つけていった。
特に上司の松永からは、侮辱の言葉や態度が向けられる。
特に上司の松永からは、侮辱の言葉や態度が向けられる。
映画は3章に分かれている。
ミチル
アキヒロ
ミチルとアキヒロ
アキヒロ
ミチルとアキヒロ
ミチルの日常・生い立ち。
アキヒロの日常・現状。
そして、二人の奇妙な共同生活。
アキヒロの日常・現状。
そして、二人の奇妙な共同生活。
それぞれの視点から見つめていたその世界は、やがて共有したものに変わっていく。
映画の冒頭のミチルの章で、父を失い出て行ってしまった母が葬式に来ていたと告げられた時、駅のホームにいる母親に向かって「お母さん!お母さん!」と号泣するミチルには、目頭が熱くなってしまいました。
それからは、自分一人で生きていける・・
と固く心に誓ったミチルだが・・見ているものをハラハラさせる程、その決意は揺らぎそうで、それでも必死に孤独と耐え続けながら生きている所は、とても伝わってきました。
と固く心に誓ったミチルだが・・見ているものをハラハラさせる程、その決意は揺らぎそうで、それでも必死に孤独と耐え続けながら生きている所は、とても伝わってきました。
田中麗奈の、抑えた演技も好感を持てましたし。
ミチルに携わる親友のカズエと、近くに住むハルミとの絡み。
穏やかな日常。
穏やかな日常。
反対に、アキヒロの孤独な毎日。
ミチルと同じくらいに孤独は深いと言うのに、アキヒロの周りは誰もが敵のように見えた。
そんなオーラを発していた。
ミチルと同じくらいに孤独は深いと言うのに、アキヒロの周りは誰もが敵のように見えた。
そんなオーラを発していた。
そこで二人の出会い。
不透明だった、何者かの空気を感じ取ったミチルと。
そのやさしさを少しずつ受け入れていくアキヒロ。
そのやさしさを少しずつ受け入れていくアキヒロ。
ゆっくりと、静かに時は過ぎて行きます。
そこに言葉はなくても。
感じられる存在。
感じられる存在。
そして、結末は・・
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殺人事件の犯人は、意外なようで意外ではないかもしれませんね。
原作のような、はっとした感じがもう少し出ていれば良かったとは思います。
原作のような、はっとした感じがもう少し出ていれば良かったとは思います。
穏やかだった日常が、突然一遍した違和感がありました。
些細な部分に、二人の孤独が描かれていて胸がきしみましたけどね。
まあ評価としては、まずまずでしょうか。
CDも買ってしまいました。
あの世界観を、よくあそこまで音に込める事ができるなあという一枚です。
あの世界観を、よくあそこまで音に込める事ができるなあという一枚です。