「彼女できたみたいだよ」
その一言が、頭から離れなくなった。
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本当に久しぶりに(一年ぶり?)友達と会う事になり、忙しい仕事もソッコーで片付けて会いに行った。
約一年の出来事をお互い話ながら、
約一年の出来事をお互い話ながら、
「で、恋の方はどうなのよ?」
と問われ私は今の近況を話す。
友達が、相変わらず忘れられない元彼の話をしていた時だった。
「私も似たようなもんだよ」
と思わず口に出してしまった。
「○○君のこと?」
その名前を聞いただけで、心臓が跳ね上がるような感覚。
前と何も変わらない気持ち。
前と何も変わらない気持ち。
「うん・・何か、忘れようと思ってるのに思い出すんだよね」
私がそう言うと、友達が言った。
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私と忘れられないその人と、友達が知り合ったのはもう少し後。
丁度私とその人がもう会えない状況になった頃だろうか。
共通の知人を通して、または実際に会って近況を知る事が出来る友達に、軽い嫉妬すら覚えた自分。
私は、あの時からあの人の事を何も知らないままだ・・・。
私の中では、今「恋」だと思っているものは全く別のものなのかもしれない
そう考えたら、とても恐ろしく思った。
名前を聞いただけで動揺するのは?
その人を連想する言葉、物、場所・・
その人に関わる何かに触れた瞬間に、想いが溢れ出しそうになるのは?
その人を連想する言葉、物、場所・・
その人に関わる何かに触れた瞬間に、想いが溢れ出しそうになるのは?
もう忘れたと思っていたのに、その一言にこれだけ動揺してしまう自分は一体何?
私は思う。
付き合うという事には、二種類のパターンがあるんじゃないかと。
一つは、単純にお互いが好きで付き合うという誠実なパターン。
もう一つは・・
もう一つは・・
例えば相手から「好き」と言われて嬉しかったから、自分は嫌いじゃないから付き合うか、みたいなどちらかが妥協して付き合うというパターン。
そして例外に、例えば自分のように
忘れられない人がいて、寂しいから誰かと一緒にいる・・というパターンが存在しえるのではないだろうか?
忘れられない人がいて、寂しいから誰かと一緒にいる・・というパターンが存在しえるのではないだろうか?
友達はそうやって、また違う誰かを傷つけただけで終わったと言っていた。
私は意識的に付き合っていたわけではなく、「好き」だと思ったから付き合っているし付き合っていたのだ。
でも、違うのだろうか?
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自分の好きな相手が、他の女の子と付き合っているという事実。
私だって、同じなのに。
だけど根本的に違うのは、私はまだ、あの人を忘れられないということ。
そしてあの人は、違うということ。
私と同じ想いを抱えながら、今付き合っている子と付き合っていたらいい・・などと、有りもしない希望すら抱いて、稚拙で、馬鹿な自分。
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狂おしいほどにまだあの人を好きで、でもこれは好きという感情とは違うのかもしれない、と思いこもうとした。
でも・・・駄目だ。
でも・・・駄目だ。
今あの人の隣にいるのが、他の誰かであるという事実が・・・私を苦しめる。
胸を締め付けるような想いなど、思えばあの恋以来なかったではないか。
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思い出さなくなって、時がこの想いを解決させてくれるだろうと・・ずっと思っていたのに。
足踏みしてる。
心の奥の方で、私は何度も後ろを振り返ってしまっている。
心の奥の方で、私は何度も後ろを振り返ってしまっている。
並んで座ったあの日も 手を伸ばせば届きそうな気がするけど