No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

だれかのいとしいひと

イメージ 1

転校生じゃないからという理由でふられた女子高生、元カレのアパートに忍び込むフリーライター、親友の恋人とひそかにつきあう病癖のある女の子、誕生日休暇を一人ハワイで過ごすハメになったOL…。どこか不安定で仕事にも恋に対しても不器用な主人公たち。ちょっぴり不幸な男女の恋愛を描いた短篇小説集。

物語は8編からなる直木賞受賞作家、角田光代さんの短編集です。

角田さんの本を初めて読んだのは、「東京ゲストハウス」という本です。
でも、この話は私的にはあまりぴんと来る作品ではなかったんです。
しかし、児童書として出された「キッドナップツアー」をたまたま読んで、角田さんの作品に興味を持ち始めたんです。

今も図書館で本を借りているのですが、一つ分かったことは・・角田さんの作品でも私は好き嫌いがあるな、ということです。
30代、独身女性。今はやりの「負け犬」にはぜひ読んでほしいみたいな・・角田さんの作品にはそういう風に評価されやすいものが多いみたいですが・・。
どちらかというと、自分の世代に近い主人公の話だとどんどん読める。

最近は30代の主人公が多くなったみたいですが、高校生、20代なんかが主人公の話もとても表現が上手。
特にこの短編集は、私の中でかなり良かったと思えるものばかりです。

(収録作品)
転校生の会
ジミ、ひまわり、夏のギャング
バーベキュー日和(夏でもなく、秋でもなく)
だれかのいとしいひと
誕生日休暇
花畑
完璧なキス
海と凧

特に私は「ジミ、ひまわり、夏のギャング」がお薦め。
元カレのアパートにこっそり忍びこむ主人公。物語はとても穏やかなんだけど、失恋で心を痛めた人なんかが読むと、なんだか優しい気持ちになれる話です。

文庫版も出ているようですが、文庫版だと挿絵がないのでちょっと寂しいかも。
挿絵も凄く綺麗なんですよ☆

図書館で借りて読んだので、ぜひとも手元に欲しいんですが・・まだ手に入っていません。