一年近く職場でお世話になっていた人が、本日付けで退社した。
帰り際、その人が皆に挨拶をしていた。
その途中で耐え切れず目頭を熱くしているのを見た。
すると、私以外の人も、目頭を熱くしているではないか。
私?
涙など、一滴も出ない。
人前で、泣けるわけがない。
高校の時まではそうでもなかったのだが、社会人になったあたりから泣くことが出来なくなっていた。
会社の同期の子が亡くなったときも、皆号泣しているというのに自分だけ泣くことが出来なかった。
そんな私が、誰かが退社するというくらいで泣けると思うか?
最近では、特に怒りの感情はとても素直に出していると思う。
恐いくらいに。
あとは、まあ楽しいときは笑うし、嬉しいときだって笑う。
でも、悲しいときだけは・・・
一人で悲しむ。
悲しみを、他人の前で見せるのは、嫌なのだ。
でも、時々思う。
私には、「悲しい」という感情が欠落しているのではないだろうか?
思えば、悲しいってあんまり思うことなどない。
口に出した「悲しい」という言葉の、何と嘘臭いことか。
私は、いつからどこか欠陥の持った人間になってしまったのか。
それすらも、分からない。