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何者

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就職活動の情報交換のため集まった大学生の拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。海外ボランティアの経験や業界の人脈などさまざまな手段を用いて、就活に臨んでいた。自分が何者かを模索する彼らはそれぞれの思いや悩みをSNSで発信するが、いつしか互いに嫌悪感や苛立ちを覚えるようになる。そしてついに内定を決めた人物が出てくると、抑えられていた嫉妬や本音が噴きだし……。
監督:三浦大輔
原作:朝井リョウ「何者」

朝井リョウさんの「何者」を初めて読んだ時の衝撃。
ガツン、という形容詞がこんなにあてはまる感覚は珍しい。
 
平成生まれの直木賞作家、その直木賞を受賞した本作が映画化!
しかしキャストは有名どころが勢ぞろい。
 
なので、映画にはあまり期待はしていませんでした。
けれども好きな原作の映画化と聞けば、劇場まで足を運んでしまう私。
 
会社の同僚に朝井リョウさんの本を貸して、何者にやっぱりガツンとやられてくれ、映画化するらしいですよーという話をしていたところ、千葉某所で舞台あいさつがあり、何と朝井リョウさんが来るのだということで、申し込んだら当たったので、と誘っていただいたのでした。
 
三浦大輔監督、佐藤健さん、朝井リョウさんの3名が登壇。
しかし私は誰より何より朝井リョウさんが観たかった(笑)
 
千葉くんだりまで足を運び、初日に行って参りましたよ。
 
まず舞台挨拶の感想。
朝井リョウさんが写真よりも何よりも、イケメンだった・・・・!
 
監督も40代だと思うのですが、割と若い見た目です。
真ん中には俳優の佐藤健さん。顔小さいです。
その隣に朝井リョウさん。
 
佐藤健さんと並んでも身長もあるし、すらりと長い手足。
さんざ自分を馬面と言っている朝井さんですが、全くそんなことはありませんでした。
というか、佐藤健と並んでも遜色ないんですけど・・・!というのが正直な感想。
やはりオーラはね、佐藤健には敵わないですがね、見た目的な面で言うならば全く問題ないレベル。
しかもトークがいちいち面白いし、会場の笑いも誘っていて、掴みはばっちり。
 
監督が、「君の名は。まではいかなくてもヒットしてほしい」というような話しをすれば「何者も名前が分からないという意味では、言い換えれば君の名はですからね」と軽妙な返し。
 
完全に朝井リョウさんに釘付けになったまま、15分ほどの舞台挨拶は終わりました。
これだけでも千葉まで来たかいがありましたよ(笑)
 
ちなみに会場はほとんど佐藤健さんのファンで、黄色い声が上がっておりました。

(ここから映画の感想)
 
まず、何よりもキャスト発表があった時点で、瑞月さんが有村架純と聞いた時から、全然イメージが違う・・・!と思ったことは正直に話しておきます。
 
原作のイメージは、どちらかというとキレイ目系、凛とした強さがある女の子というイメージ。
可愛い系でふわっとした有村さんとは真逆とも言えるかもしれません。
 
ということが前提にあって、割と出番も多いし黒い内容の中で一筋の光とも言える人物なだけに、目立ちます。
けれどもイメージが違う、という印象が抜けないから、とにかく苦痛にすらなってくる。
 
そして映画公開前の予告の「溺れるナイフ」で高校生役を演じている菅田君。ごめん、スーツ着ているのに高校生の制服にしか見えないんだよー・・・!
(しかし演技力はある方なので、まんま光太郎でした。これははまり役でした。そしてバンドのボーカルをやっている役なのですが、歌が上手い!)
 
それを言ったら山田孝之演じる先輩は最早学生に見えない・・・!
(でも安定の山田孝之なので、サワ先輩でした。この人も本当に上手い)
 
という諸々があったり、原作を読んでいるからこそ最後のオチが分かるものの、原作を読んでいない人は「は??」という感じなのではないか、と思う展開。
 
個人的には舞台に見立てたラストの種明かしの演出は嫌いではないし、斬新でさえあると思うのですが、原作ありき(それだけ原作に忠実でもあるが)の展開なので、観終わった後にポカーンとしている人が多かった印象です。
 
佐藤健は安定の上手さ。
これといって特徴のない、「冷静分析系」男子大学生を見事に演じていたし、二階堂ふみの「意識高い系女子」っぷりはかなりはまっていて嫌味なほど。岡田将生君の「空想クリエイター系男子」もこういう人いるよなあ!と思わせる自然さで、概ね俳優陣の演技力には満足。
 
なんですけど、あの原作でのガツーン!とやられた感が、映像になるとどうもしっくりこなかったんですよね・・・
原作に忠実なのに、だからこそ何故なのだろうと思う。
 
でもこれが、文章で表現することと、映像で表現するということの決定的な違いなのかなあ。
 
何処か消化不良感が残る映画でもありました。
個人的には駄作とは思わないけれど、1回見ればいいかな、という感じ。
でもヤフーユーザーレビューの低さは異常・・・2.7点かー。
 
これは好き嫌いが分かれるというより、伝えたいものが伝わりにくい映画という感じなのかなあ。
期待はしていなかったのでガッカリ感もなかったですが、まあ消化不良という感じですかねえ。
 
あ、良かったところ。
中田ヤスタカさんの音楽と菅田君演じる光太郎のバンドの音楽。
一度聞いて見る価値はあります。
(3.5点)