市役所に務める35歳の健太郎はこれまで女性と付き合った経験もなく、いまだに実家で両親と暮らしている。父も母も息子を気遣い、親同士が子どもに代わって相手と対面する「代理見合い」への出席を決める。そこで今井夫妻と知り合った健太郎の両親は、目が不自由な彼らの娘奈穂子のことを知り……。
監督:市井昌秀
星野源出演、ということで、ネットでちらっと見た記憶があり、気になるなあ程度に思っていた映画でした。
何となくバタバタとした毎日なので、見ない間に公開が終わってしまうのだろうなあと思っていたのですが、ひょんなことから、大絶賛している人が絶対見た方が良いと推しまくっていたので、観に行く事にしました。
予告編も見ず、全く予備知識のない状態で見たので、良い意味で期待を裏切られました。
箱入り息子=35年間彼女なし、実家暮らし、仕事と家の往復、家ではほぼ引きこもってゲーム三昧の日々。
そんな箱入り息子の初めての恋のお相手は、目の不自由な美女の奈穂子。
この映画、夏帆を見るためだけに行ってもいいと思う、というくらい上手いです。
夏帆の今までの清楚なイメージは勿論なんですが、目が見えないという難しい役柄ながら、そこはしっかりと演じております。
泣きながら吉牛で牛丼を食べているシーンが、何故こんなにぐっとくるのか(笑)!
ちょっとすると重苦しい話になりそうなところが、意外な程さりげなく笑いの要素が詰め込まれていて、ところどころ、シリアス過ぎず絶妙に笑いが入ります。
惚けた両親、健太郎の真面目過ぎる故の微笑ましいシーン、初めての恋だからこそのドキドキ感。
現実は勿論甘くないとは分かっていても、何だかすっと受け入れられている自分がいました。
終わり方は「え?!」という感じで終わってしまいましたけれども、期待していなかっただけに思った以上の大収穫。
この監督の映画は初めて見ましたが、撮り方も好き。
そしてところどころに入る音楽がまたセンスの良いこと!
星野源を起用しているのに、エンディングは細野一臣さんなのがまた良い(笑)
一度見る価値ありの映画だと思います!ぜひ。
(4.5点)