35歳にして定職もなく、売れない役者稼業にもほとほと嫌気がさした桜井は自殺にまで失敗してしまう。その後、出掛けた銭湯で見るからに勝ち組男のコンドウが彼の目の前でひっくり返り、頭を強打したせいで記憶を失ってしまった。桜井は衝動的に彼の荷物をくすねてコンドウに成り済ましたのだが、実はコンドウの職業は殺し屋で……。
監督：内田けんじ
音楽：吉井和哉
「アフタースクール」の内田けんじ監督の最新作と知り、絶対観に行こうと思っていた作品でした。
かなり期待していましたが、期待通り！面白かったです！！
平日朝一だというのにそこそこ埋まっている映画館。
のっけから（広末さんのシーン）爆笑爆笑の連続。
久しぶりに安心感のある、老若男女問わず楽しめる作品を見た気がします。
前作の「アフタースクール」は伏線張られまくりの、どんでん返しにつぐどんでん返しが鮮やかでしたが、本作はそういったどんでん返しはあまりありません。
ですが、とにかく終始笑いのツボが転がっている感じで、くすくす笑ってしまうのです。
何より俳優陣が見事！
堺さんの主人公なんだけどちょっと目立たない感じの役周り（ダメ男を演じるのが上手い！）も良いし、広末さんの美人なのにモテない女性が凄いはまっていました。
で、何より一番は香川さん！
頭が良いけど物凄く几帳面で用意周到でマメな性格が、どういう訳か笑いを誘う。
そしてこの抜群の演技力！
これは絶対見るべきです！！
「入れ替わり」と聞き、どうせ銭湯でこけて頭打って中身が入れ替わっちゃうとかなんだろ？と思っていたら、そういう物理的な入れ替わりとはちょっと違っていました。
特にオススメは、記憶喪失になった時の香川さん。
もう全てが真面目だからこそ、笑えます。
と同時に、全て計画通りに行動をしようとする婚カツ中の広末さん演じる女性がまた笑えるんです。
至って本人は真面目なのに、確かに美人でもこんな人だったらちょっと面倒くさいかな・・・と思えるところがミソ。
広末さんは苦手ですけど、これは凄く役に合っていました。
堺さん、香川さん、広末さん、三者三様の俳優たちがとにかく良い味を出しています！
エンドロールが始まっても、絶対最後まで見て欲しいです。
個人的に、荒川良々が凄く真面目な役（役は意外性がありました）だったので、ちょっと残念。
この方は本当に良い味出してるからな。でも、こんな真面目な役も意外とはまっていました。
これはDVD出たら買ってまた見たいです。
オススメです！
（5点）
