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tokyo.sora

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東京の空の下、6人の女の子の話。

ちいさな胸と恋のはざまでゆれる、
好きな人に好きといえない、
ティッシュくばりとオーディションを日々くりかえす、
何もおきない毎日にただボーゼンとする、
夜はランパブ、昼は小説を書く、
いつまでたってもカットさせてもらえない、

おきることはちがっても、これは、ぼくらの話だ。
東京という街にひとりいきる、そんなぼくらの話だ。

自分のことで手いっぱいのぼくらは、
目の前の誰かをすくうことなんてできない。
でも、本当にそうだろうか。

誰かの思いは、誰かにつたわる。
そう思いたい。

思っているあいだにも、日々はすぎていくけれど-



監督:石川寛

出演:板谷由夏/井川遥/仲村綾乃/高木郁乃/孫正華/本上まなみ

2001年


この映画は、死んでも忘れられないだろう。
映画館に行くと、必ずと言っていいほど腹痛になるのだが・・・
この映画を観ている最中にトイレに駆け込む事になろうとは・・・。

そんな余談はいいとして。

この映画を知ったのは、何かの映画を観に映画館に行った時ですね。
映画館って、映画のちらしが沢山置いてあるじゃないですか。
その中で、他の映画とは別格に惹き付けられるものがあったんです。

一面の青空。
東京の、空。
そして、東京という街に生きる「6人の女の子」の話。
気になって、劇場まで観にいっちゃったんです。

物語は、とても淡々とモノトーンな世界というか・・・
特に何か大きなことが起こるでもなく、日常にカメラを向けてそれを流しているような。

そんな雰囲気の映画です。

6人の女の子のうち、印象に残るのはまず美大生の女の子の話。

ふとした事から、自分の小さな胸が気になりはじめる。
そして自分の好きな人から告白され、付き合うことになるのだが・・・
その日、胸にはパッドを入れていた。

デートを重ね、キスをして・・でもそのたびに、小さな胸が気になってしまう。
ささいな事。
だけど、本人にとっては、大きなこと。

自分も巨乳ではないので・・・何か凄く分かるんですよ・・・。

多分、好きな男の子は胸の大きさなんて気にしていないんですよ。
なのに、この子はそれが気がかりで仕方ないっていう。
もどかしさ。

もう一つは、
ランジェリーパブで働く、二人の女の子。

作家志望で小説を書く傍ら、ランジェリーパブで働くヨーコ。
美容師になりたいと美容院に勤めながら、いつまでたってもシャンプーしかさせてもらえないユキも、夜はランジェリーパブで働いている。

お互い、言葉を交わすこともなく、交わることのなかった関係。

「空から降る雪のユキ・・」

というユキの言葉を聞いたのをきっかけに小説を書き始めるヨーコ。

そして編集長の道原に小説を認められ、チャンスを掴んだように見えたのだが・・・
出版される小説は、道原がヨーコの小説に手を加えたもの。
それは、ヨーコの小説とはいえないものだった・・・。

そして偶然、ヨーコはユキと居酒屋で出会う。
思い切って話かけたヨーコ。

早朝。東京の街を、何かを振り切るかのように二人は駆け出す。

そして思いもよらなかった結末へ・・・-


井川遥が演じるユキが、とても悲しげではかなくて・・・
見ていて痛い程でした。

最後、悲劇的な結末を迎える運命になるとは・・・。

東京で、空を見上げる事って思えばない気がする。
だって東京の空は・・・どこか寂しげで、消えてしまいそうで、切ないから。

でも、この映画を観てそれだけじゃないかもと思った。

ぜひ観てみて下さい。