No-music.No-life

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ワルツを踊ろう

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容疑者は村人全員! ?

20年ぶりに帰郷した了衛を迎えたのは、閉鎖的な村人たちの好奇の目だった。
愛するワルツの名曲〈美しく青きドナウ〉を通じ、荒廃した村を立て直そうとするが……。
雄大な調べがもたらすのは、天啓か、厄災か⁉


中山七里さんの本です。

中山さんは私のお気に入りの作家さんの一人。
これまでほとんどの作品を読んできましたが、音楽、ミステリ、法廷、刑事ものなどなど、その多岐に渡るジャンルを外れなく面白くかける作家さんだと思っています。
ほぼ面白い作品しかないですが、過去これは合わなかったかも・・・と思った作品は「月光のスティグマ」。
しかし本作はそれをさらに上回る合わなかったかも・・・な作品でした。

なんというか、もうこの主人公が無理でした。

都会の生活に敗れ、故郷に帰ってきた40歳近い男。

一応FP資格も持っている会社員経験のある人なのに、なんだろう・・・
このあまりの世間知らずさ。傲慢さ、自意識過剰さ。

確かに限界集落という東京にして都会から切り離されているようなこの小さい集落の人たちも感じは悪いですが、この主人公であれば確かにそんな接し方になるよな・・・と思うほど好きになれませんでした。

最初から一人だけ優しい人が怪しいとは思っていましたが、ラストの展開も予想できるもので。

それでも最後の数ページは中山さんらしい面も出てきて、むしろここだけは面白かったのですが(ちなみにここで出てくる人は、別作品にリンクしている人だったのですね・・・!読んでいるはずなのに気づけずでした)。。

限界集落を立て直す話?と思わせながら、結局は阿部定事件をも連想させる凄惨な事件が起こり、そこは中山さんらしいっちゃらしいのですが、とにかく嫌な気持ちにしかならない本でした。

中山さんの作品の中で、1番最初に読んでほしくないものかもしれません!
これを読んだら他の面白い作品たちを読まずに終わってしまうかも・・・!みたいな感じでした。
(3点)